少し着崩れた袷の隙間から覗く谷間に手を差し込みその膨らみに触れるとこの方は起きるだろうか

 

いやいや、歩き慣れぬ山道を歩かせ無理をさせた 

疲れさせたのは俺だ

我慢せねば… 

 

縁側で二人、酒を飲み始めて直ぐにこの方は俺にもたれ眠ってしまった

 

ぐっすりと眠るウンスを抱えて布団に寝かせてから、どのくらいこの方の寝顔を眺めていただろう 

額に貼り付いた髪を払い、そこに唇を寄せる

 

ん…っ と甘い声がウンスの口からもれた時、ヨンは外の気配に苛立つ

 

何用だ

ウンスを起こさぬよう静かだが怒りを含んだ声だった

 

お休みのところ申し訳ありません

女将の声だった

 

何があった

今宵の内情を一番理解している筈の女将が来たのだ急用に違いない

ウンスが起きていないか寝顔を確かめ、そっと寝床から起き上がると外に出る

 

申し訳ありません

急患がでまして…

そう話す女将の目は真っ赤だった

 

町医者では駄目なのか

ヨンの問いかけに女将は詳しく話し出す

 

昨日より腹が痛いと申しまして掛かり付けの町医者に診てもらったのですが一向に良くならず、今は熱も出て…脂汗をかき意識も朦朧として……

どうか医仙様に…お金ならいくらでも…

 

女将、その患者は身内か?

 

はい私の息子にございます

まだ十五になったばかりだというのに、医者は手には負えぬと匙を投げたのです

どうか…どうか

女将は土下座し床に頭を擦りつけた

 

理由は分かった

されどイムジャは慣れぬ山道を歩き疲れ果てて眠っておる

酒も入っておるからな…起きるかどうか…

ヨンが困ったように女将に話していると、戸が勢いよく開いた